音楽雑記帳 I feel fine

好きな音楽や所有している楽器の事、自身の音楽活動などを中心に色々書いています。

Martin(マーチン) D-28 購入&補修記④

Martin(マーチン) D-28 購入&補修記③ - から続く

前回ではD-28のネック元起き修復の為に、ライト照射による簡易的なネックアイロン補修を行い、無事元起きが修正できた事を投稿いたしました。

ところがその後しばらく経つと、今度はネックの12フレット辺りが順反りし始めてしまったのです。

反りがあまり酷くならない様に弾き終わったら弦を多めに緩める様にしていたのですが、徐々に酷くなっていきました。

それではと、再度ライト照射によるネックアイロン補修を試みたのですが、その時は反りが治っても、結局しばらく経つと元の順反り状態に戻ってしまうのです。

おそらく指板を熱して元起きを修復した部分のストレスが、12フレット辺りに掛かって反ってしまうのではないかと考えました。 部分的に熱して修復した事で、弱くなってしまう部分が出来るのではないかと思います。

さてさて、これは根本的にネックアイロンをやり直さなければ・・・。

ここまで来たら多少の出費を覚悟しても本格的なネックアイロン器具を作って直そうと決心しました!

 

お手本とするのは、アリアのギター用ネックアイロン「XA0002MC 1C2U」

f:id:shin50i:20200115124338j:plain

大手通販サイトで6万円以上する代物です。

これをアルミの角材を使って自作するのですが、前回Webで色々調べた際に自作されていた方のHPも拝見していたので、それを参考に材料を集めてみました。

 

熱源となるのが「シリコンラバーヒーター」

f:id:shin50i:20200115125125j:plain

サイズ幅50mm×長さ450mmの物を大手通販サイトで探して8千円弱で購入。

 

アルミの角材も大手通販サイトで送料込みで約2800円で購入可能なのですが、自分は東急ハンズで調達しました。 50mm×25mm×1000mmで約2800円。これを長さ452mmで2本分カットしてもらいました。

そうして作成した物がこちら↓

f:id:shin50i:20200114065219j:plain

f:id:shin50i:20200114065230j:plain

内径が50mmよりも当然狭くなるのでシリコンラバーヒーターの両端を折り曲げるような形で入れ込みました(^▽^;)
怪我の功名か、耐熱両面テープで張り付けなくてもしっかりと下面に固定されました。

あとは温度調節用の「パワーコントロラー」を大手通販サイトで1500円弱で購入。家庭用コンセントプラグを100均で購入して準備OKです!

f:id:shin50i:20200114065240j:plain

 

前回に使用したクランプやあて木等を流用していざ補修開始!

f:id:shin50i:20200114065250j:plain

f:id:shin50i:20200114065259j:plain

ヒーターがみるみる熱くなっていき、数十分後にはピシッ、ピシッっと、ネックのきしむ音がし出しました。

熱しすぎてもいけないので慌ててヒーターを止めました。

さらに1日置いてクランプを少し増し締めして再加熱。同じく数十分熱して止めました。

翌日器具を外し反りを確認すると、見事に治っていました!

今回あえて逆反り気味にし、ミディアムゲージを張っても少々弦がビビる様に調整しました。弦の張力でネックがまた順反ると考えたからです。

ところがレギュラーチューニングのまま10日間経っても一向にネックが反る気配が無く、弾くと弦がビビる状態のまま。今回作成したネックアイロン器具のおかげか、ネックが修正されたまま完全に固まっている感じです。

やはりネックアイロン補修は指板全体を加熱した方が確実の様です。

仕方がないので、今度は逆反りを修正する為に再度ネックアイロンをし直しました(^▽^;)

 

それから数カ月、ミディアムゲージでレギュラーチューニングのまま弦を張りっぱなしでも、ネックはびくともしない状態です。

 

そして肝心のギターの音色の方ですが、あれからずっと弾き終わった後もギターケースには仕舞わずに、階段スペースの壁に吊り下げて保管しておりました。

f:id:shin50i:20200114134534j:plain

階段スペースは日も当たらずエアコンも無い場所です。

そうして約10ヶ月、徐々に音色が変わって来て箱鳴りする様になってきました。

あの最初にお茶の水の楽器店でD-28を試奏した時の煌びやかさにかなり近づいているのではないかと感じています。

 

参考までに現在のD-28の音色を動画でアップしました。


Martin D-28 1996

最初は指弾きで、後半はピックで弾いています。
使用弦は Martinの新しくなった「 MA550 Phosphor Bronze」ミディアムゲージです。