Martin(マーチン) D-28 試奏記
2017年11月4日(土)
古本祭りで賑わう神田神保町でランチを食べて、フラフラと御茶ノ水の楽器屋さんへ。
目的は最近興味が湧いてきたMartin(マーチン)アコースティックギター、それも定番のD-28を試奏させてもらう為です。
言わずと知れたアコースティックギターの元祖。今あるアコギの形や構造の元となったギターです。
昔から知ってはいましたが、値段も高く、フォーク世代の方々の物だと思い、今まであまり興味を持てませんでした。
数年前に友人が新品のD-28 スタンダードを買い、少しだけ弾かせてもらった事がありましたが、ミディアムゲージの太さもあり、かっちりとした弾き心地でやたら硬い音の印象を持ちました。
また、セッションで知り合ったギターに詳しい方によると、Martinは最初は鳴らない。何年も弾き込んでようやく鳴り出すという話を聞いて、やはりそういうものなんだと合点がいきました。
その後自分のメインアコースティックギターとして選んだのはGibson のラウンドショルダー系 Southern Jumbo(サザンジャンボ)。その音に十分満足はしていたのですが、今になってアコースティックギターの原型となったD-28の音を、もう一度じっくり確認してみたいと考えるようになったのです。
それにはやはりMartinの日本総代理店のあのお店へ。
2階の広々としたフロアーにゆったりと展示されているMartinアコースティックギター。
かなりの本数のD-28が展示されているのを確認し、ベテラン風の店員さんへ試奏を願い出ます。
アコースティックギターの元祖と言われるD-28がどんな音なのか、どうしても一度弾いてみたくて来たことを正直に告げると、嫌な素振りなど全く見せず、にこやかに一番鳴りの良い個体を準備してくれました。
チューニングを合わせ、どうぞとギターを手渡して頂いた後も、前でかがんだまま色々説明を続けて下さいました。
さて、どんなものかと持ってきたマイピックでストロークを始め「ジャラーン・・・」
前に友人のD-28を弾かせてもらった時の印象とは違う響き。
そのままストロークで色々コードを鳴らしてみると豊かな低音に加えキラキラの高音が響き、むちゃくちゃ気持ちいい出音がフロアーに広がっていきました。
用意してくれた店員さんも、眼を閉じて目の前で聴き入っていて、素晴らしいでしょうと一言。
新品でスタンダードのMartinでもこんなに鳴りが良いんですねと、私も思わず言っていました。
「そうでしょう。私もこうしてお客様の演奏を前で聴くのが楽しみなんですよ」と、Martinギターの音に惚れ込んでいるようでした。
その時弾かせてもらったのがD-28のスタンダード最後の仕様となったモデルでした。
ネック材がマホガニーではなく、セレクテッドハードウッドとなっていて、なんの木か分からない仕様なのですが、そんな事は全く問題ない素晴らしい音でした。
その後店員さんがD-28スタンダードの2017年新仕様を用意して下さっていたのですが、自分の目的はもう十分に果たしたので、丁重にお断りしてお店を後にしました。
(D-28の2017年ニュースタンダード仕様は、Xブレーシングがサウンドホール寄りに移動し、より鳴りが豊かになっているとの事です。)
改めてMartin D-28を弾いてみて、その素晴らしさにすっかり魅了されてしまいました。
高額な価格の為、すぐにどうこうは出来ませんが、いつかはD28を手に入れたいと、懲りずに新たな決意をしたのでした(^_^;)