Martin(マーチン) D-28 購入&補修記②
- Martin(マーチン) D-28 購入&補修記① - から続く
コツコツ資金を貯め、ようやくネットオークションで中古のD-28を手に入れたのですが、いざ鳴らしてみると全く期待外れの音にかなり落胆しました。
なぜあの試奏した時の音とこうまで違うのか、とりあえずネットで色々調べてみました。
色々なサイトの情報から、D-28に関して分かった事柄をまとめてみます。
●使用されている材
・ボディトップ:シトカ・スプルース
・ボディサイド&バック:インディアン・ローズウッド
・ネック:マホガニー
※2005年以降はセレクトハードウッドとなっています(良質なマホガニー材が不足した為、マホガニーを含め厳選された固い木材を使用しているとの事)
・指板&ブリッジ:エボニー
●構造・音質
「ドレッドノート」と呼ばれる大柄なボディから生まれる豊かな低音に、サイト・バックに使用されているローズウッドの特性+Xブレイシング等の内部構造による煌びやかな高音が特徴。
※D-28のDは「Dreadnought(ドレッドノート)」の頭文字で、同名のイギリス製巨大戦艦が名前の由来。
●工場出荷時の弦(Martin純正)
※試奏時「MSP7200 SP Lifespan 92/8 Phosphor Bronze Medium」(コーティング弦)
※現在は「MSP4200 SP Acoustic 92/8 Phosphor Bronze Medium」になっているそうです。
自分が張り替えた新品の弦はMartin純正の「M170 ACOUSTIC 80/20 Bronze Extra Light」だったので、太さも音色も違うものでした。
●D-28の鳴りについて
D-28は新品ではあまり鳴らず、長年弾きこんでいく内に音が化けるという意見が多いようです。しかし、自分が試奏した物は新品ですし、一概には言えないのではと思いました。
ただ、鳴りの良くないギターは不具合を起こしている場合が多く、ブレーシングの剥がれや、ブリッジ周りの膨らみ、ブリッジ浮き、ネックの元起きが原因となる様です。
また、長年ケースに仕舞われ、弾かれなかったギターは、湿気を帯びて鳴りが良くないという話も有ります。
自分が購入したD-28は1996年製で、製造から20年以上経過していますが、弾きこまれた様子はあまり無く、塗装も新品に近い状態です。おそらく前の所有者がケースに仕舞い込んで殆ど弾いていなかったのではないかと思われます。
そして不具合が起きているか確認してみると、ブリッジ周りの膨らみは殆ど無く、ブリッジの浮きも無し。ブレイシングもボディを叩いて音を確認すると問題無い様です。
そしてネック、ギターヘッドからブリッジまでネックを垂直に覗き込んでみると、なんとネックジョイントの辺りから指板が見事にくの字に起き上っていました。 あらら、これはネックの元起きだ(;^_^A
●以上の事を踏まえて推測される、D-28が鳴らない原因
①最初に張った弦が細すぎて、D-28本来の実力(鳴り)が出せていない。
②長期間弾かずにケースに保管されてギターが湿気を帯び、本来の鳴りが出ていない。
③ネックの元起きが原因で本来のテンションが掛からず、ボディにしっかり振動が伝わっていない。
とりあえずこんな所でしょうか。
次回、対策を考え実践した結果をご報告します。
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<今回参考にさせて頂いた主なサイト>