音楽雑記帳 I feel fine

好きな音楽や所有している楽器の事、自身の音楽活動などを中心に色々書いています。

Jeff Beck ジェフ・ベック 1980年 武道館ライブ

自分が本格的にギターを弾き始めた中学時代、日本人のギターヒローは「高中正義」さんで、外国のギターヒーローは「ジェフ・ベック」でした。

当時、ロックの3大ギターリストと言われたのが「ジミー・ペイジ」、「エリック・クラプトン」、「ジェフ・ベック」。その中でもロック・フュージョンとも言うべきインストゥルメンタル曲がメインのジェフ・ベックに一番惹かれていました。

洋楽に詳しい同級生の友人K君もファンで、色々詳しく説明、紹介してくれ、持っていたアルバムもカセットテープに録ってくれたおかげで、大ファンになりました。

そんな中、当時発表されたアルバム「There and Back」のワールドツアーで日本にもやって来る事に。

f:id:shin50i:20190604165723j:plain

公演予定の12月は当時中3だった自分にとって高校受験の真っ只中でしたが、当然のように友人のK君と一緒に池袋東武百貨店のチケットビューローで長蛇の列に並んでチケットを購入。

たしか追加公演が決まる前で、最終日を狙って12月17日を購入した記憶があります。

●当時のチケット。

f:id:shin50i:20190604165734j:plain

 

 そうして、その年の1月に行くはずだった「ポール・マッカートニー&ウイングス ジャパンツアー」公演中止のリベンジも兼ねて、自身初の武道館ライブ会場へ。

九段下駅から坂を登り、趣のある旧江戸城「田安門」そして「櫓門」をくぐり抜け、ライブの聖地日本武道館へ到着。

初めて見る武道館の広さに驚きながら2階東席へ。天井から掲げられる大きな日の丸。本来は武道の聖地であるその空間の厳かさに固唾を飲みました。

そしていよいよライブが始まり、最初の曲は「Star Cycle」

ステージ後ろに設置された巨大な電飾ボードがキーボードのイントロに合わせて点滅し、演奏が始まりました。

途端にその音量に度肝を抜かれました! ドラムの音が壁に反響して背中から打ち付け、前から直接届く音と微妙にずれて二重に聞こえる感覚。

おそらく今ではそれほどの大音量は出せなくなっているでしょう。

とにかく、体全体に音圧を感じるほどのPAでした。

ジェフ・ベックの演奏はもちろん、他のメンバーの演奏も素晴らしく、特にドラムのサイモン・フィリップスが凄かった。

パワフルなそのドラミングに、圧巻のドラムソロ。1999年TOTOの東京公演に行った時もそうでしたが、自分がライブに行った中で最高のドラマーだと思っています。

そしてジェフ・ベックの演奏。何曲か演奏していく中でギターの音量が物足りなかったのですが、演奏の途中で自らギターアンプへ向かいボリュームをアップ! バランスもバッチリ決まり、その仕草のかっこよさにしびれました。

 後半「Blue Wind」の演奏で興奮は最高潮に。そしてアンコールを迎え最後の曲は「Going Down」。それまでは全てインストゥルメンタルの曲でしたが、イントロ演奏が始まり気が付くとステージ中央前方にスタンドマイクが設置されていました。そこに向かってジェフ・ベックがおもむろに歩み寄り、マイクを引き寄せ歌い始めました。

「I'm going down  doun doun doun doun・・・」その瞬間、身体に電流が走り抜けました。

まさかジェフ・ベックが歌いだすなんて・・。その仕草も歌もめちゃくちゃかっこいい! その演出に完全に打ちのめされました。

ライブが終わり、武道館から駅に向かう間、大音量での耳鳴りと一緒にライブの感動が余韻として身体に残り、ユラユラとまるで足が宙に浮いている様な不思議な感覚でした。

その余韻は徐々に収まっていったのですが、夜布団に入った時も、翌朝目覚めた後も、耳鳴りと一緒に消えずに残っていました。

 その後の高校受験の結果はさておき、中3の多感な時期に、この様な素晴らしいライブに立ち会えた事に感謝しています。

 

f:id:shin50i:20190604165702j:plain

<メンバー>
ギター/Jeff Beckジェフ・ベック
キーボード/Tony Hymas(トニー・ハイマス)
ベース/Mo Foster(モ・フォスター)
ドラムス/Simon Philipsサイモン・フィリップス

<セットリスト>
1.Star Cycle
2.El Becko
3.Too Much To Lose
4.The Pump
5.Cause We've Ended As Lovers
6.Space Boogie
7.The Final Peace
8.Led Boots
9.Freeway Jam
10.Diamond Dust
11.Scatterbrain
12.Blue Wind
13.Goodbye Pork Pie Hat
14.You Never Know
15.Going Down(アンコール)